何でも食べ物に関連づけて考えようとする風潮は、マスコミの影響もあるだろう。「シミミによい」「アトピーに効く」等々言われて騒がれるもの、たいていは食べ物である。食べ物はたしかに大事である。でも、それはバランスが大事という意味であって、肌がある特定の食べ物で目に見えてよくなったり悪くなったりするかのように考えるのは、無理がある。医療の現場で、我々はそんなに食べ物の議論ばっかりしてはいない。ニキビシンポジウムやアトピーフォーラムで、ニキビやアトピーによい食べ物なんて決して演題には上がらない。人体を、そう簡単に食べ物で変えることはできないのである。食べ物についてアドバイスを求められると、実際多くの医者は「バランスよく」としか言わない。それが正論だからである。私も食べ物についてどうするべきか患者さんからかたずねられると、多くの場合それしか言わない。するとたいてい患者さんはがっかりなさる。もっとテレビみたいに「これをたくさん食べればこんな効果が……」と言えばたしかに話は盛り上がるだろうが、残念ながら医療は、その期待には応えてくれない。食べ物は薬ではないから、ひとつのものをとりすぎれば当然害が出る。うかつに医者が、これがいいとか悪いとか言うのは危険なのである。まさに、大事なのはバランスである。「バランスよくなんて、そんなの当たり前じゃない」という読者が多いだろうが、これが意外にできていない。第一、バランスのよい食事の方が、ひとつのものをたくさん食べる美容法より、実はよっぽど大変なのである。では、美しくなるための食生活とはどんなものか。次に詳しくみてみよう。
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